マンションの配管リフォーム|中古物件購入の際気をつけたいポイントも
中古マンションを購入し、リノベーションやリフォームをして暮らす上で気になるのが、配管など目に見えない部分の劣化状況です。特に給水管(水道)は生活の質に直結することもあり、不具合が出てから対応するのではなく、そもそも不具合がでない住宅に住みたいものですよね。
この記事では、マンションを購入するにあたって、配管をリフォームしたくなった場合や、リフォームが必要そうか見極めるためにはどのようなことに気をつければいいのか、具体的なポイントを解説します。中古物件の購入を検討している人は、ぜひ参考にしてくださいね。
マンションの配管とは?リフォームはできる?
まずは、配管リフォームの基礎知識について解説します。
マンションの配管とは
そもそもマンションの「配管」とは何なのでしょうか。マンションの配管には、以下のよう3種類が含まれます。
・給水管(給水。飲料水などを供給する)
・給湯管(給水管から送られた水を沸かす)
・排水管(トイレ、洗面所、風呂、雨水などの排水を下水道まで流す)
・ガス管
このうち排水管とガス管は、トラブルが少なく、耐用年数も長いのが一般的。一方、給水管と給湯管は水圧が頻繁にかかるため、水漏れなどが起きやすく、定期的に入れ替えなどの工事が発生します。
マンションの配管はリフォームできる?
マンションの場合、専有部分の配管に不具合が発生した場合は、各自での工事依頼が必要です。耐用年数の目安は、配管に使われている素材や工事のレベルによっても異なりますが、おおよそ15年から40年程度。
築25〜30年程度のマンションを購入する場合は、配管のリフォームが実施された履歴はあるかどうか、必ずチェックしておきましょう。
共有部分の配管工事については、規模が大きくなるので、部分的な修理や交換が一般的です。不具合が出ていない場合は取り替えが実施されることは基本的にありません。
共有部分でも、新品の配管で安心しながら暮らしたいと考える場合は、築年数の浅いマンションを購入するか、築40年以上が経過し、建て替えを検討しているマンションを購入しましょう。
配管をリフォームするべき目安
リフォームかどうかを判断する際は、実際に水道から水を出してみて、水の状態を確認しましょう。以下のようなトラブルが発生している場合は、給水管や給湯管のリフォームを検討したほうが良さそうです。
・水漏れしている
・水の流れが悪い
・水が赤っぽい
・水が濁ってくる
これらの症状は配管内部の腐食や劣化、詰まりやパッキンの緩みなどが原因で起こります。 一度劣化してしまった配管は回復することはないので、早めに対処する必要があるといえるでしょう。
配管設置の方法2種類とは
排水管は、床から出ているか壁から出ているかの2種類に分かれます。どちらから出ているかによって、リフォームの費用などが変わったりといった変化が生まれるため、違いについて押さえておきましょう。
壁に設置する
配管を、壁の内側に隠します。見た目がスッキリしておしゃれになるほか、手洗いボウルやトイレの種類やサイズに自由度が高いメリットがあります。
一方で、メンテナンスが難しく、配管にトラブルがあった場合には壁を破壊しなければならないこともあります。また、設置・リフォームどちらの工事でも、費用が高くなる傾向にあります。
さらに、配管を壁面に埋めるために壁を厚くする必要があり、部屋が狭くなることも押さえておきましょう。
床に設置する
床にそのまま配管を通します。メンテナンスが簡単で、配管が詰まったりした場合にも対処しやすいほか、費用が安く、工事も簡単にできるのが大きなメリットです。また、配管を壁面に埋める必要がないため、部屋を広く使えるのも魅力といえるでしょう。
一方で、見た目が野暮ったくなりやすいほか、配管の位置によっては、手洗いボウルやトイレの種類やサイズに制限があることをデメリットとして考える人もいます。
配管のリフォームの費用目安
配管は、給水管と排水管、どちらを工事するかによって費用が変わります。
給水管の場合、部分交換は1万円以内、全体を交換する場合は10〜20万円が交換目安です。一方、排水管の場合、部分交換は1.5万円、全体は20〜30万円程度かかります。
ただし、マンションの場合、構造上の理由から、一軒家よりもコストが上乗せされるケースがあります。
また、配管の移動がある場合も、費用が上乗せされる傾向にあります。また、壁や床の解体や、水回り設備の取り外し・再設置にもコストがかかります。
配管リフォームの注意点
マンションで配管リフォームを検討する際に気をつけておきたいポイントについて、詳しく解説します。
管理組合や管理会社に相談する
工事の実施前は、必ず管理組合や管理会社に相談しておきましょう。規約によっては、水回りの工事は禁止されているケースもあります。また、配管リフォームの許可や申請、工事時間や方法、費用負担などについて規定されている場合もあるかもしれません。
マンション規約を遵守しないで配管リフォームを実施すると、管理組合や管理会社からクレームや損害賠償請求などのトラブルが発生する可能性があるため、十分に気をつけましょう。
配管の設置位置や移動距離によって費用が変わる
配管リフォームの費用は、配管の設置位置や移動距離によって大きく変わります。特にマンションでは、構造上の制約や共有部分への影響も考慮しなければならないため、一戸建てよりも費用が割高になることが少なくありません。
不要なコストを発生させないためにも、配管の設置位置や移動距離についてはよく検討しておきましょう。
配管リフォームの業者選びや見積もり比較をする
配管リフォームは専門的な技術や知識が必要な工事であるため、信頼できる業者に依頼することが必要です。業者選びの際には、実績や口コミ、保証制度などをチェックしましょう。
また、業者は2〜3社検討し、相見積もりをすることもお勧めします。相見積もりの際は、「安くしてくれるか」「値切ってくれるか」など、価格の面だけを見るのではなく、長期に安心してメンテナンスをお願いできそうかをチェックしましょう。
水まわりのリフォーム工事も同時に実施
配管リフォームを行う際には、水まわりのリフォーム工事も同時に実施するのがおすすめです。配管リフォームの際は、水回り設備の解体や再設置が必要になり、水回りのリフォームを実施しなかったとしても費用がかかるからです。
特に、水回り設備の寿命が近づいている場合は、ぜひ同時に工事を実施しましょう。別々に工事を実施するより、工事期間や費用が節約になるケースがほとんどです。気持ち的にも大きくリフレッシュできそうです。
まとめ
この記事では、マンションの配管リフォームについて、中古物件購入の際に気をつけたいポイントや注意点を解説しました。
配管リフォームは、マンションの快適性や安全性を高めるために重要な工事ですが、マンションの場合は一戸建てとは異なる特徴や制約があります。そのため、配管の種類や状態を確認したり、管理組合や管理会社に相談したり、マンション規約をチェックしたりすることが必要です。
また、配管リフォームの費用や方法も、配管の設置位置や移動距離、交換時期や方法などによって変わってきます。
配管リフォームの実施で特におすすめなのが、水まわりのリフォーム工事も同時に実施することです。工事期間や費用を節約し、気持ちも新たに生活を始められるでしょう。
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