事故物件のリフォームとは|ポイントや注意点、費用相場を解説

過去に入居者が亡くなった物件である事故物件。せっかく見つけた好条件の物件が事故物件だったら、なんとなく不気味ですし、購入をためらってしまいますよね。

しかし、事故物件であったとしても、適切にリフォームをすれば、住み心地のよい物件を作ることは可能です。

この記事では、事故物件のリフォームに関する基礎知識や費用相場、注意点などを詳しく解説します。事故物件のリフォームをし、住み心地がよく、売買しやすい家に変えたいと検討している方はぜひ参考にしてください。

 

 

そもそも事故物件とは?

納得している女性

そもそも「事故物件」とは何なのでしょうか。詳しく解説します。

 

事故物件の定義と特徴

事故物件とは、過去に入居者が亡くなった物件のことをいいます。定義は曖昧ですが、一般的な要因として「殺人」「自殺」「病死や老衰などの自然死」などが挙げられます。

 

事故物件の見分け方

中古物件を借りたり、買ったりする場合、事故物件かどうかを不動産業者や家の持ち主が伝えてくれるのかどうかは気になるところです。

国土交通省が2021年に発表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、事故物件の告知に関するルールが以下のように定められています。

・賃貸の場合:事案発生からおおむね3年間(ただし、2人目以降の入居者には告知不要)

・売買の場合:調査を通じて判明した範囲で買主に告知

つまり、賃貸であれば2人目以降の入居者に自分が該当する場合、そして売買であれば、売り主が調査しても分からなかった場合は、事故物件かどうかは伝えてもらえないことになります。

事故物件かどうかを見分けるためには、以下のような方法が考えられます。

・不動産屋に問い合わせる

・価格が周辺不動産の相場より低くないかチェックする

・1部屋だけ、1畳だけリフォームされているなど、不自然な部位がある

・マンションやアパートの場合、名称が変更されていないかチェック

・定期借家になっている(物件所有者名を変更するためのテクニックとして用いられる)

・事故物件を紹介する大島てる物件公示サイトなどのサイトを利用する

・住民に直接聞く

・SNSなどで検索する

 

 

事故物件に住むデメリットは?

悩む女性

とはいえ、実際よりも安価に販売されていることの多い事故物件。予算に余裕がない場合、魅力的に映ることは確かです。実際に事故物件に住んだ人は、どのようなデメリットを感じているのでしょうか。詳しく解説します。

 

ほとんどの人が事故物件には住みたくないと考えている

ニフティ不動産編集部の実施した調査によると、事故物件について、絶対に住みたくないと考えている人は57.7パーセント、できれば避けたいと考えている人は29.3パーセント。合計すると87パーセントと、9割近い人が「事故物件には住みたくない」と考えていることが分かります。

確かに事故物件はなんとなく不気味ですし、気になってくつろげないこともあるでしょう。事件や事故の内容によっては、自分に実害が及ぶことを気にする人もいるかもしれません。

 

家族が体調不良に陥りがち

自分はそこまで気にしていないけれども、家族が自宅でリラックスできないなどの問題が考えられます。この問題を放置すると、以下のようなトラブルに発展するかもしれません。

・睡眠障害

・頭痛

・胃痛

また、家庭内の不和につながるケースも少なくありません。住宅購入は家族の幸せのために検討するもの。住宅購入によって家族がより不幸せになるのだとしたら、その家は買わないほうがよいのかもしれません。

さらにいえば、購入前は事故物件でも問題ないと考えていたとしても、あとから事故物件であることが気になってくるケースも考えられます。

事故物件の購入は、慎重に検討を重ねるべきであることが分かります。

 

 

事故物件と知らずに購入してしまったら

悩む女性

事故物件と知らずに購入し、あとから近隣住民との会話などで事故物件であったことを知ることもあるかもしれません。この場合、不動産業者や売主に慰謝料などを請求したり、工事費用を負担してもらったりすることはできるのでしょうか。

 

契約解除や損害賠償請求も検討

「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」に定められた告知を業者が怠った場合、契約解除や損害賠償の請求が検討できます。

たとえば、以下のような判例があります。

買い主が「事件・事故はなかったか」と売り主に聞いたとき、売り主は7年前に殺人事件があったことを告知しなかった。購入後に事件のことを知った買い主は、売り主に対して3,300万円の損害賠償を請求。裁判所は、市場価格との差額1,575万円と、弁護士費用160万円の請求を認容した(神戸地裁 H28.7.29)。

 

事件の内容によっては請求が棄却されることも

事件の内容によっては損害賠償の請求が棄却されることもあります。この場合、裁判費用や弁護士費用、時間や体力などが無駄になってしまうこともあるので気をつけましょう。棄却される状態には、以下のようなものがあります。

・売り主や媒介業者が調査することが困難だった

・マンション内の別の部屋での事故だった

・都市部での事件で、人々の印象に残っていない

ただし、上記に該当する状態であっても、損害賠償や契約解除の請求が通る可能性がゼロであるとはいえません。まずは専門家への相談から検討しましょう。

 

 

事故物件のリフォーム内容

話し合う人々

事故物件リフォームするときは、大きく分けて以下の2つの工事を実施します。

・体液や汚物の除去

・原状回復

・残地物の処理

体液や汚物の除去は、事故の度合いによって工事の内容が大きく異なります。体液や汚物が床に染み込んでいる場合は、特殊清掃や脱臭・消毒・除菌、害虫駆除などを実施します。

原状回復については、場合によっては水道管の詰まりや、室内設備の交換などが必要になるケースもあるかもしれません。

室内設備には、ITヒーターやエアコン、クッションフロア、クロスなどが該当します。

 

 

事故物件のリフォーム費用の相場

住宅にかかる費用

事故物件には、どの程度の費用がかかるのでしょうか。詳しく解説します。

 

450万円以上の費用がかかることも

日本少額短期保険協会が2022年に発表した「第7回孤独死現状レポート」によると、孤独死が発生した際に家主が支払った費用は、平均して61万円程度。残地物の処置と、原状回復にそれぞれ費用がかかっています。

また、報告されている原状回復費用の中には、450万円以上かかった工事もあり、場合によってはかなり高額な費用が必要になることが分かります。

 

広さ別の清掃費用

部屋の清掃費用は、住宅の大きさによっても変わります。一般的には、以下のような費用がかかることを想定しておきましょう。

1R:45,000円~

1DK:60,000円~

1LDK:80,000円~

2DK:110,000円~

3DK:160,000円~

3LDK:180,000円~

また、事故の状況によっては、住宅内のある場所についてのみ局所的な清掃費用がかかります。

・脱衣所やトイレの作業:10,000円〜

・お風呂の作業:10,000円〜

・居室の作業:5,000円〜

特殊清掃や最低限のリフォームにくわえ、デザインなどを一新する場合は、さらに費用がかかることを押さえておきましょう。

 

 

事故物件のリフォームを依頼するときのポイント

会話をする男女

事故物件のリフォームを依頼する際に重要視するべきポイントについて解説します。

 

季節によっては費用が上がることも

事故の現場が長く放置されていた場合、部屋が早く傷んでしまい、リフォームの規模も大きくなります。場合によっては、住まい全体を大きく解体するリノベーションの工事が必要になることもあるため、十分に注意しましょう。

室内の環境にもよりますが、夏場であれば数日、冬場であれば最長で1ヶ月程度現場が放置されていると、リフォーム工事の追加費用が発生すると考えてよいでしょう。

なお、前述の「第7回孤独死現状レポート」によれば、孤独死の発見までの日数は平均して18日。多くの場合、追加での費用が発生すると考えられます。さらに、夏場は他の季節よりも事故物件の発生件数が多くなっていることにも注意が必要です。

 

事故が起きた場所にも注意

事故が起きた場所によっても、工事の予算は大きく変動します。

費用がかさみやすいのは、お風呂などの水回りで事故が起きたケースです。浴槽や配管などの特殊清掃が必要になるほか、場合によっては総取り替えが必要になることもあります。

また、床の上で事故が起きた場合、床下まで腐敗が進んでいるときは、大規模な工事が必要になるでしょう。

 

清掃とリフォームは違う業者に依頼することも検討して

事故物件のリフォームを依頼する際には、清掃とリフォームは違う業者に依頼することも検討しましょう。

事故物件の清掃は、通常の清掃とは異なり、血液や体液などの有害物質の除去や消毒、消臭などが必要です。専門的な技術や知識、機材が必要になるため、事故物件清掃業者や特殊清掃業者などの専門家に依頼することが望ましいといえるでしょう。

清掃業者によって事故物件をきれいにしてもらった後、リフォーム業者によって物件を改善してもらうことで、より効果的なリフォームができるでしょう。

 

 

まとめ

この記事では、事故物件のリフォームに関する基礎知識や費用相場、注意点などを詳しく解説しました。過去に入居者が亡くなっている事故物件は、相場よりも安価に物件が購入できることも多く、購入を検討する人も少なくありません。ただし、住むとなると、さまざまな問題が発生することも。特に、特殊清掃費用やリフォーム費用が通常よりもかかりやすいことや、家族とのケンカなどにつながりやすいことには注意が必要です。

事故物件を購入するかどうかは、慎重に検討を重ねましょう。また購入後のリフォームは、デザインや間取りなどを自分好みに作り替えられる業者を選ぶことで、居心地のいい住まいを作ることをおすすめします。

 

 

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